内分泌内科とは
ホルモンの異常(過剰分泌・不足・作用不足)によって起こる様々な病気を診療します。
当院では特に、甲状腺の病気(主にバセドウ病や橋本病などの内科系の病気)や二次性高血圧、副甲状腺や副腎の病気等の診断・治療を致します。
体には甲状腺や副腎、下垂体、副甲状腺等といったホルモンを分泌する臓器が複数あり、分泌された各々のホルモンが調和することで私たちは日常生活を送ることができます。
しかし、これらホルモンの調和が崩れると次のような様々な症状や病気を引き起こします。
甲状腺の病気の症状
次のような症状がある場合は、お気軽にご相談ください。
- なんとなくだるい
- 気持ちがふさぐ
- むくみやすい
- イライラする
- 手が震える
- 血圧が高い ※ 等
上記のような症状の際に甲状腺の病気が隠れているかもしれません。
まずはお気軽にご相談ください。
二次性高血圧に関して
高血圧の方の多くの原因は生活習慣や遺伝要因による「本態性高血圧」ですが、中には他の病気が原因で血圧が高くなる「二次性高血圧」もあります。
高血圧の方の10~30%に二次性高血圧が潜んでいる可能性があります
内分泌疾患である原発性アルドステロン症や褐色細胞腫等が原因で二次性高血圧を発症することもございますので、通常の高血圧の治療ではなく、原疾患の検索と治療も必要となります。
当院では、採血により二次性高血圧のスクリーニングを致します。
内分泌内科の主な対象疾患
- 甲状腺疾患(バセドウ病、橋本病等)
- 副腎疾患
- 下垂体疾患
- 副甲状腺疾患
- 性腺疾患
- 高血圧
- 糖尿病
- 脂質異常症
- 肥満症
- 高尿酸血症 等
以下により具体的に説明します。
甲状腺疾患
甲状腺とは「のどぼとけ」のすぐ下にある、重さ15グラム前後の小さな臓器のことです。
甲状腺は蝶が羽根を広げたような形をしており、気管を取り囲んでいます。
甲状腺は、新陳代謝にかかわる生命維持に必要なホルモンを分泌しています。
甲状腺疾患は、女性の患者さんが特に多いことが特徴です。
甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症
甲状腺疾患は甲状腺ホルモンが過剰につくられる甲状腺機能亢進症と甲状腺ホルモンが不足する甲状腺機能低下症に分けられます。
主な疾患は次の通りです。
甲状腺機能亢進症
- バセドウ病
- 無痛性甲状腺炎
- 亜急性甲状腺炎
- プランマー病 等
甲状腺機能低下症
- 橋本病
- 手術後甲状腺機能低下症
- アイソトープ治療後 等
以下にて「バセドウ病」と「橋本病」について説明いたします。
バセドウ病
甲状腺に過剰にホルモンを作らせる自己抗体により、甲状腺機能が亢進してしまう病気です。
甲状腺ホルモンは新陳代謝や全身の活動性を司るものなので、ホルモンが過剰になることで動悸や発汗、体重減少といった症状を呈します。
ホルモンが常に過剰に分泌し続けるので、疲労感やイライラ、落ち着かないといった症状も出ることがあります。
治療せず放置をしておくと心房細動や心不全、脳卒中といった命に関わる事態に至ることもあり、早期診断および治療が大切です。
バセドウの治療には、薬物治療や放射性ヨード治療、手術治療の三つがあります。
それぞれの治療のメリット、デメリットに関しては外来でお尋ねください。その方にあった治療をご提案させていただきます。
当院では甲状腺の採血検査を行っております。
検査会社と密に連絡を取り合い、必要であれば甲状腺ホルモンの結果も速やかにお出しすることができます。
橋本病
甲状腺を攻撃する自己抗体により、甲状腺が破壊されてしまう病気です。
そのため必要な分だけ甲状腺ホルモン製剤を補充する治療を行います。
むくんだり、気分がふさいだりすることで気づかれることもあります。
成人女性のおよそ10%程度がかかるといわれているので、珍しい病気ではありません。
副腎疾患
左右の腎臓の上にある小さな臓器が副腎です。
副腎からはステロイドホルモンとして知られる副腎皮質ホルモンとアドレナリンなどで知られる副腎髄質ホルモンが分泌されています。
いずれも生命の維持に必要不可欠なホルモンです。
副腎疾患には、
- 朝起きられない
- 疲れやすい
- 食欲がない
- 立ちくらみがする
等といった症状を呈する副腎疲労症候群や原発性アルドステロン症、クッシング症候群等があります。
副甲状腺疾患
副甲状腺は甲状腺の裏側の四隅に一個ずつ存在し、骨やカルシウム、リンの代謝を行うホルモンを分泌しています。
副甲状腺ホルモンは血液中のカルシウム濃度を一定に保つため、骨からカルシウムを遊離させたり、腎臓からカルシウムを再吸収させたりしています。
骨に対しては、破骨細胞を活性化して骨吸収を促進させる働きと骨芽細胞(骨を作る)を刺激させ骨形成を促す働きがあり、この過程でカルシウムが血液中に遊離します。
副甲状腺疾患にはカルシウムの値が高くなり、嘔吐や食欲不振、多尿、のどのかわき、腎機機能の低下等を引き起こす可能性もある原発性副甲状腺機能亢進症等があります。