高血圧とは

血液が血管にかける圧力のことを「血圧」といいます。
心臓は、1分間に60～70回くらい血液を血管へと押し出しています。
心臓が収縮して血液を押し出した時に、血管には最も強く圧力がかかります。
この圧力のことを「最高血圧」といいます。
また収縮した心臓が広がる時に、圧力がいちばん低くなります。
この圧力のことを「最低血圧」といいます。
最高血圧と最低血圧のどちらが高くても、「高血圧」と診断されます。

血圧が高いと

「血圧が高い」と指摘されてもご本人に自覚症状が乏しいため、なかなか受診されない方が多く見受けられます。
しかしながら「血圧が高い」ということは、肥満などにより１回の心拍動で多くの血液を全身に送り出さなくてはならないため、高い圧力が血管にかかります。
そこで動脈が硬くなり、その結果として動脈硬化を起こしやすくなります。
高い圧で血液を送り出さなくてはならない心臓にも当然に負担がかかります。
それが心筋梗塞や心筋症などの心不全の原因にもなります。
また高い圧を受け続けた血管にも負担がかかります。
傷んだホース（動脈）に高い圧が加われば、亀裂が入って血が漏れてしまいます。
その亀裂が脳で起これば脳出血を発症します。
以上のことからも高血圧と診断されたら、早めにかかりつけ医を受診されることをお勧めします。

高血圧の原因

高血圧の9割以上が原因のはっきりしない「本態性高血圧」です。
高血圧の方の家族には高血圧の方が多いことや高血圧の方のお子さんが高血圧になりやすいことから原因の一つに遺伝が関係していると考えられています。
ただし、遺伝的な要素を持つ方が必ずしも高血圧になるということではなく、 高血圧になりやすい遺伝的要因がなくても、生活習慣等によっては高血圧になる可能性が高くなります。
遺伝を含む体質と塩分や脂質の取り過ぎ、運動不足、肥満、ストレス、アルコール、喫煙などの生活習慣が絡み合って高血圧の原因となるのです。

高血圧の治療

高血圧治療の目的は、単に血圧を下げることではありません。
本来の目的は心臓や血管の病気（虚血性心疾患や脳卒中など）を防ぐことにあります。
そこで高血圧だと診断されたら、自覚症状がないからと高を括らず、早めに治療を始めることをお勧めします。
高血圧と同時に糖尿病や脂質異常症、肥満などといった多くのリスクをもっている方は、早めに信頼できる「かかりつけ医」を見つけて、定期的に受診されることをお勧め致します。
また高血圧が軽症の方であれば、すぐに治療を始めることにより薬を使わずに血圧を下げることができたり、 早期に降圧剤を服用することでその後に降圧剤の服用を中止できることもできたりします。